写真提供:日刊工業新聞/共同通信イメージズ
日本企業によるグローバル企業の買収が年々活発化している。だが、国内ビジネスを中心に成長してきた企業が海外企業を買収した場合、経営統合のプロセスでつまずくケースが後を絶たない。そんな中、買収したグローバル企業の仕組みに自らを適応させるという独自の道を切り拓いたのが日本たばこ産業(JT)だ。『AFTER M&A』(岩下仁著/BOW&PARTNERS)から一部を抜粋。同社の「逆転型統合」の成功例に迫る。
初めて臨んだ海外企業の買収でJTが直面した、日本の組織風土がもたらす苦い失敗とは?
買収成立
『AFTER M&A』(BOW&PARTNERS)
JTは1999年、小が大を飲み込むと揶揄されたRJRIの買収を発表した。当時、グローバルで市場シェア第4位であるR・J・レイノルズ・タバコ・カンパニーに対して、JTは第3位を占めてはいたが、その内訳はほとんどが国内市場で、海外での売上は全体の売上にほとんど貢献していなかった。
対してレイノルズの国際事業部門であるRJRIは、世界70か国ですでに事業を展開しており、ウィンストンをはじめとするグローバルブランドを有していた。
たばこ市場の規制が厳しくなるなか、ますます世界での新規投資が難しくなる状況で、自力成長では、今後、グローバル市場で成功することはできない、そんな切羽詰まった思いがJTをこの買収へと駆り立てた。
当時、JTには、それだけのグローバル事業をマネージした経験もなく、幹部たちの英語力も乏しかったようだ。がゆえに、外国人にグローバル事業経営を「任せる」ことで、JTをグローバル企業と変身させることを目的とした。
自社の限界を知る
ブリヂストン同様、JTも当初は自社のやり方でグローバル化を実施しようとした。最初に買収したイギリスでのマンチェスタータバコカンパニー(MTC)のときのことである。






