笠佐島は筆者が尊敬する民俗学者、宮本常一の故郷山口県周防大島町内にある(筆者撮影)
「なんか変だ……」
「経済的に見合わないのになぜ買収する?」
その直感を大切に2008年から外資の国土買収を追っています。
ようやくここにきて政府による本格的な調査がはじまりそうで、「外資による土地取得規制の強化法案の策定」は自民・維新の連立政権の合意書にもあります。
でも、それらのハードルは高く一筋縄ではいかないと思います。
今、話題の3カ所から見ていきます。
米軍岩国基地から約20kmの離島、不動産業者が「島の土地の7割をすでに押さえた」
笠佐島(山口県周防大島町)は瀬戸内海に浮かぶ住民7人の小さな島です。すぐ前の海は24キロメートル(km)先の岩国米軍基地へつながるチョークポイント(choke point)で、対岸には中国系メガソーラーが見えるほか、島の上空は嘉手納基地への米軍機航路という要衝に当たります。
この島の土地3651m2を、2017~18年に上海市在住の3名(中国人)が別荘用に取得しました。その1人は1年後、土地を斡旋した地元不動産会社の社長と共同で「法人S」(本店:笠佐島)を設立します。「法人S」の業務は「民宿、ホテル、旅行代理店業、クルーザーによるクルージング、通訳・翻訳業、医療コンサル、土木・建築、不動産売買斡旋業、海外学生の日本留学コンサルタント業、貿易業、海運代理店業など(登記情報)」です。
2025年春、この別荘用地へ至る横断道路が拡幅され、鋼製の電信柱51本と高圧配電線(耐摩耗電線)の敷設が終了しました。工事を進めたのは地元「中国電力」で、当初、敷設を渋っていたそうですが、有力筋が同電力を動かし、敷設にこぎつけたと地元では見られています。
笠佐島の一部を複数の中国人が買収、電信柱も建って通電開始された(写真:産経新聞社)
2025年夏、地元不動産会社の社長は「島の土地の7割をすでに押さえた」「中国系不動産業者からの依頼をいくつも受けている」と取材に答えていて、騒ぎが本格化した2025年9月には件の中国系「法人S」は増資もしています。
この先、笠佐島は「楽園」にも「橋頭保」にもなり得ますが、下手をすれば日本人の入島が制限される島になっているかもしれません。こうした一連の動きに対し、政府は無策を続けています。
