東京・霞が関周辺(写真:Zoey/イメージマート)
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「外国人の土地取得の制限」の方針づけは、今夏まで延期となりました。2月からはじまる有識者会議にあずけ、「海外の例を参考に、外国人限定の規制にするかどうか」を精査した上で基本的な方針を出す計画です。

 何となく目指すところが透けてきたように感じます。

 これまで外国人の土地取得ルールがなかったのは、外資買収が続いたこの18年間、①政府が外資買収を本気で調べず、惨状が一部見えても抑制的にしか公表せず、②指南役の憲法や民法の権威(有識者)が現実を軽んじ、③為政者が未来を読んで一歩前に踏み出さなかったからだと思います。

外国人にとって、土地取得規制が緩い日本はまるで「お花畑」だ(青森県横浜町の菜の花畑)=筆者撮影

 でも今日、公明党の与党離脱や若者たちの気づきによって、規制導入の機運が高まりつつあります。総選挙後、現政権の枠組みが維持されるとしたら、外資規制にどこまで踏み込めるでしょうか?

踏み込むか、あるいはトーンダウンか

 今後を占うと、新たに「国籍記入」が必要となるケースは、①不動産の移転登記時(法務省)、②法人による重要土地・大規模土地の取得時(内閣府・国交省)、③森林の取得時(農水省)ですが、これらは省令以下の改定作業なのでちゃちゃっとできそうです。今春に導入です。

 離島など所有者不明地の国有化も国境離島で措置済みですから、実現可能性は高いと期待されます。

 ただ、その先のレベルとなると未知数です。高市政権はさらに踏み込むか、トーンダウンしてしまうのか。総選挙で安定多数を勝ち取り、国会運営がしやすくなったとしても、わかりません。

 やりやすさの面でいうと次のa→b→cの順に、ハードルが高く難しくなります。

a. 重要国土等調査法の調査区域の拡大などの法改正

b. 国内人・国外人無差別の税・課金(短期譲渡税、空室税、印紙税等)の上乗せ徴収

c. 外国人限定の取得(売買)規制

 aは、見直し期限(法律施行5年後)があるので、2027年がタイムリミットです。

 b、cを検討しているうち、他に大きな現象が起こり、途中でフェードアウトしてしまう可能性もあります。

 これからはじまる外資規制の議論を先読みするために、これまでの規制反対派と推進派(筆者)の主張について、一度レヴューしておきます。