――それから月日を経て、2025年夏。
経済同友会は恒例の軽井沢での夏季セミナーで、参院選の争点となった「外国人政策」を議論しました(共同通信2025.7.19)。セミナー終了後、新浪剛史代表幹事は記者たちを前に呼びかけました。勢いを増していた新党諸派に抗い、財界人として一言、言っておきたかったのかもしれません。
「外国人は悪いと決めつけてはいけない」
「人口減少や人手不足を乗り切るためには、外国人との共生を考える必要がある」
呼びかけのタイミングは参議院選挙の前日でした。
マンションの管理組合での発言「中国人が多いんだから中国語でやってくれ」
米国は日本に比べると「土地に厳しく、薬物に甘い」のですが、日本は米国に比べ「薬物に厳しく、土地に甘い」です。国ごとに「薬物」の扱いが異なるように、「土地」の取り扱いも国によって大いに異なります。
とりわけ日本の不動産は売買規制が農地以外は皆無で、所有者の土地所有権が強く、たぶん世界一というのが魅力です。個人の財産権が手厚く守られ、その権利は外国人がもつ国内財産(土地)にも当てはまります。
近年の日本不動産が外国人に人気なのは、①円安と利回りの良さ、②カントリーリスクの低さ、③売買自由(規制ゼロ)の3つです。この最後の③は、10年以上も前から世界に知れわたっている加点ポイントで、国境フリーの「推し」として日本不動産が支持されるゆえんです。
だから外国人は日本を買いたがり、力をつけてきています。
課題も出てきました。少し前ですが、都心マンションの管理組合の集まりでこんな発言もありました。
「中国人が多いのだから中国語でやってくれ」
事務局は何とかとりなして日本語で進行したそうですが、マンション住民の総会・理事会が中国語になっていくのは、時間の問題かもしれません。
マンションデベロッパーに対する民間調査(三菱UFJ信託銀行)によると、2025年上期、千代田・港・渋谷の都心3区における外国人取得の割合は19%、その他の20区では12.7%を占めていました(戸数ベース)*2。外国人はダミーを使って買うケースもありますから、実際の外資買収比率はもっと高いのではないでしょうか。