外国人経営者の在留資格「経営・管理」は規制が強化された(写真:Nobuyuki_Yoshikawa/イメージマート)
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(山中 俊之:著述家/起業家)

「日本で起業することを目標にして日本で学んでいるのに、日本での起業の夢が露と消えた」

 アフリカ人留学生はそう言うと肩を落とした。同留学生が目指していた「経営・管理」の在留資格条件が、設立した法人の資本金要件が500万円から3000万円に引き上げられるなど厳格化されたからだ。

 日本人目線では外国人政策の一環として捉えられがちな在留資格要件の厳格化は、外国人本人にとってはキャリアや将来設計に大きく関わる重大事である。意欲ある優秀な外国人が日本での起業やビジネス展開を断念することにつながってしまう。

 私はコンサルタントとして企業の人材開発案件に数多く関わる他、行政書士として日本で活躍をしたい外国人の在留資格取得を支援している。また長崎市や大阪市の顧問として、自治体における在留外国人の実態や外国人政策の現状を聞くことも多い。

 2月の衆議院選挙では外国人政策が一つの争点になっている。在留資格を有しない不法滞在者を減らすことには私も賛成だ。また、実態として会社を経営しないにもかかわらず「経営・管理」を目指すことも問題だ。

 同時に、意欲や能力のある外国人が日本社会に経済・社会面で貢献してくれる面もある。日本に滞在したい外国人の滞在目的、職種や能力を考慮しながら共存共栄の社会を目指すことも重要だ。

 本稿では、外国人が日本国内で活躍することによる経済成長につながる在留資格のあり方、日本社会のあり方について考えたい。