「一人起業」を認めない硬直的な制度

 2025年10月から、外国人経営者が日本に滞在する際に必要な在留資格である「経営・管理」を取得するための資本金要件が、これまでの500万円から3000万円に引き上げられた。留学生にとって3000万円という資本金の額は、ベンチャーキャピタルなどからの相当額の出資でもない限り集めることが困難な額であろう。

 また、経営者本人以外に一人以上の常勤の職員が必要になる。経営者一人では在留資格が得られず、日本で開業ができない仕組みになっている。

 日本政策金融公庫の調査によると、起業の中で一人での起業は70%を超える。私は16年前に起業したが、その経験から言うと、起業時には売り上げが見通せないので、固定費を減らすために常勤社員を雇用することは一般に怖くてできないものだと思う。

 経営者以外に常勤社員を求めること自体、公務員や大企業・大組織での勤務経験しかない人の発想ではないか。

 欧米先進国の起業率(開業率)が8-10%前後であることも多いのに対して、日本の起業率は5%前後である(中小企業白書)。日本の起業率が低い理由には、リスク回避的な社会風土やベンチャーキャピタルなどからの資金調達の困難さ、起業教育不足などが言われるが、容易に解決できるものではないだろう。

 起業家精神の盛んな諸外国からの起業を促して、経済を活性化することが本来求められるのではないか。外国人の「経営・管理」の在留資格厳格化で日本での起業がさらに減ることが懸念される。