歯切れの良い言葉は聞く者を惹きつける半面、副作用もある(1月6日、経済三団体共催の新年祝賀会でスピーチする高市早苗首相、写真:つのだよしお/アフロ)

あいまいさが交渉事をうまく進める

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 今回は、AIが「政治」にも「経営」にも意外に使えない面があることを、AIの計算原理から解説しましょう。

 昨年11月、高市早苗氏の発言が国際的緊張関係を招いているかは、すでに周知と思います。JBpressでも平易な解説が出ていますので、詳細は譲りたいと思います。

 端的に言えば、田中角栄、三木武夫ほかの各氏が尽力した「日中国交正常化」以来、「あいまい」な表現を取ることで直接的な対立を避けてきた外交術を、高市首相は活用できなかった。

 東洋経済オンライン掲載の薬師寺克行氏による解説など様々な解説にも出ている通り、およそ世の中の交渉事には、ソフトな表現を取ることで全体をうまく進める知恵が随所に見られます。

 ちなみに、大江健三郎氏のノーベル賞受賞講演も「あいまいな日本の私」と題されています。

 高市首相の答弁にはそれがなかった。

 実は、この「あいまいさの欠如」は生成AIが避けて通れない宿命と重なっています。この観点に立つなら、高市氏は極めてAI的な政治家と呼ぶことができるかもしれません。

 しかし、政治の世界では白黒をはっきりさせ過ぎるとまとまるものもまとまらなくなります。

 同じように個人や組織同士の交渉事も、そうした交渉事の塊である経営も、二枚腰三枚腰の老練な思考と話術がものをいう世界です。それが今のAIにはないんですね。

 今回は、この問題を考えてみます。