常識の含意が通用しない大規模言語モデル
大学院で私のラボ1期、今井健君(東京大学医学系研究科准教授)と共同でもっている「医療用AI」で話題に出た例をご紹介しましょう。
例えば、神経とか血管とか連結している構造がありますね。
医師や看護師には常識でわざわざ文字に書いたりしない、臨床常識のようなものです。皆に言う必要のない当たり前のことは、わざわざ文字に書いていないことも少なくありません。
ところが、文字として書かれていないとAIには分からない。
目も鼻も口も常識も何もない機械学習システムですから、認識可能な記号列になっていないものは大規模言語システムの世界には存在しない。
ちなみにマネジャー、経営者のための「指揮講座」では、同一の楽譜を幾通りにも解釈し直すアプローチを、モーツァルト「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」などを題材に、AIが苦手なタスクとして、体感的にご教授しています。