世界の視点から見れば人材獲得競争
そもそも外国人といっても、在留目的、職種、能力、日本滞在期間、日本語力など多種多様であり、一括りにできない。在留資格の規制強化についても、実態を反映していないことは多い。
また、外国人の中には過疎地で地域社会を支えている人もいる。日本国内でも、過疎化した地方では、外国人の従業員なくして成り立たない企業、団体も多いのだ。
「外国人社員がいなくなると会社の事業が持たない」。これは、兵庫県北部の但馬地域の企業・団体で頻繁に聞いた言葉だ。
私は2025年3月まで過去4年間にわたり兵庫県豊岡市という過疎地にある芸術文化観光専門職大学で専任教員をしていた。豊岡市やその周辺の但馬地域は神戸や大阪からのアクセスが悪く、人口減少が深刻だ。
但馬地域では大半の高校卒業生が都会に出ていってしまいそのまま帰ってこないことが多い。同地域において、外国人の労働者は貴重と認識されている。都市部とは違った過疎地の深刻さがあることにも配慮が必要だろう。
こうした外国人労働力は日本国内の目線では外国人政策だが、世界の視点から見ると人材獲得競争の問題である。
日本語しか通じない会社も多く、賃金が上がらない日本企業は外国人にとって魅力に映るとは限らない。韓国や台湾など他のアジア諸国に人材が流れていることもある。
行政も企業も、外国人への日本語・日本文化教育を進めると共に、日本人の異文化理解力を高める取り組みも必要だ。企業や自治体、ボランティア団体に依存するだけなく、政府も外国人と日本人双方への教育や啓発に力を入れるべきだ。
また、「高度専門職」の在留資格を有する外国人は日本の経済発展において重要な存在である。