ニデック創業者の永守重信氏(写真:ロイター/アフロ)
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(井上 久男:ジャーナリスト)

「2026年は、全ての陋習(ろうしゅう:悪い習慣)を打破し、未来を自らの手で切り開く『第2の創業』を成し遂げるべき、極めて重要な1年です。この転換期において、私たち全員が目線を合わせ、新しい企業体質への全面的な刷新を断行します。『今までと同じ』は、もはや通用しません」

 モーター大手、ニデックの岸田光哉社長兼最高経営責任者(CEO)は26年1月5日の年頭挨拶で社員らにこう訴えた。

ニデックの岸田CEO(写真:ロイター/アフロ)

 ニデックでは25年6月頃から「不正経理疑惑」が相次いで発覚した。12月19日には、創業者で50年以上にわたって経営トップとして君臨してきた永守重信氏が代表取締役グローバルグループ代表を辞任し、非常勤の名誉会長に就いた。取締役会議長も辞めて、岸田氏に引き継いだ。そのプレスリリースには「本人の意向」という部分がわざわざ太字で記されていたが、辞任は一連の「不正経理疑惑」と無関係ではあるまい。

 長年、強烈なリーダーシップで同社の経営を牽引してきた創業者が形式上は退く訳だから、岸田氏が「第2の創業」と強調しているのだろう。

 ニデックでいま、何が起きていて、何が問題なのか。そして、今後、何が起こる可能性があるのかを本稿では考えたい。まずは、ニデックで相次いだ「不正経理疑惑」とその対応について簡単に解説しよう。