デリカミニで走った長野山中のワインディング路。SNOWモードにするとクルマの安定感と安心感が高まった(写真:筆者撮影)
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新年早々、「デリ丸。」と一緒に信州に出かけた。三菱自動車の軽自動車「デリカミニ」のことである。「デリ丸。」は同モデルの「化身」という設定であり、また上級グレードを「DERIMARU パッケージ」と命名した。2025年11月に千葉・房総半島の公道で実施された三菱主催のメディア向け公道試乗会に参加したが、その際の走行時間が限られており、かつオフロード走行の機会がなかった。そこで今回は、長距離ドライブと雪道走行を想定したルートを選んだというわけだ。

(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)

 都内を出発したのが1月5日だったが、その10日前の12月26日の午後7時半過ぎ、関越自動車道・下り線の水上インターチェンジ付近で、67台を巻き込み、2人死亡・26人が重軽傷を負った大事故が発生していた。

 今回のルートも関越自動車道など山間部を走行するため、改めて高速道路での安全運転を心がけた。

 また、1月2日には降雪と路面凍結によって、山口県から広島県にかけて約20キロにおよぶ立ち往生が発生していた。

 こうした事例を踏まえて、今回は“もしもの場合”を想定した装備を搭載して出かけた。例えば毛布、寝袋、水など、少しの飲料と各種の食べもの、充電用の小型バッテリー、簡易トイレ用として猫砂とビニール袋などを積み込んで出かけたのである。

 試乗の様子を紹介する前に、デリカミニ誕生の背景について触れておきたい。

ひょんなきっかけで生まれた「デリ丸。」

 ポイントは、「たった2年でフルモデルチェンジ」である。初代デリカミニの発売が2023年5月で、2代目発売が2025年10月と、その間はたった2年しかない。

 この件について、三菱関係者およびデリカミニと基本構造を共有する日産「ルークス」開発関係者の双方に話を聞いたが、「当初から2代目ありきの商品企画だった」という。

 そもそも初代デリカミニは、三菱eKシリーズの「eKクロススペース」を立て直すために登場したクルマだった。軽自動車のスーパーハイトワゴン分野ではホンダ「N-BOX」が王者として君臨し、それをスズキ「スペーシア」が追いかけるという構図の中、三菱としては、三菱らしさの構築を検討する状況で、デリカミニのコンセプトが生まれた。

 商品イメージは、唯一無二の本格四駆ミニバンとして長年にわたるベストセラーの「デリカD:5」を踏襲する軽自動車という設定だ。これと似た商品企画には「パジェロ」に対する「パジェロミニ」がある。

 三菱と日産は、軽自動車の企画開発で協業する株式会社NMKVを通じて、2025年の「eKスペース」「ルークス」とデリカミニのフルモデルチェンジに向けた量産開発を進めながら、デリカミニを実験的に市場導入したと言えるだろう。

 具体的には、内外装のアレンジと足回りチューニングに加えて、先進機能を追加して“三菱らしさ”を表現した。

 その際、三菱の社外で、デザイン企画されたマスコットキャラクターとして「デリ丸。」を考案。デリカミニの化身という設定だったが、「デリ丸。」は三菱の想定を遥かに超える人気となり、いまや「デリ丸。」は三菱ブランド全体を牽引する存在にまで成長している。

 そのため、三菱が「超新型」と形容する2代目デリカミニでは、上級グレードを「Premium DERIMARUパッケージ」と命名することで「デリ丸。」=「デリカミニ」という商品の訴求戦略を徹底している。

今回の信州の旅には、「てのりデリ丸。」、大型の「デリ丸。」、さらに「デリ丸。」の友達も一緒(写真:筆者撮影)