スバル「レヴォーグ レイバック」。酸ヶ湯温泉付近にて(写真:筆者撮影)

 SUBARU(スバル)といえば雪道。乗用車の世界にいち早く四輪駆動車(AWD:オール・ホイール・ドライブ)を広めた。AWDの効果は、特に雪上で発揮されるため、降雪地帯でスバルユーザーは多い。

 そこで今回、最新モデル「クロストレック S:HEV」と「レヴォーグ レイバック」を雪国・青森で比較試乗した。目指したのは、豪雪地帯として知られる酸ヶ湯温泉だ。

(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)

積雪3.7メートル、絶好の試乗環境

 2台を乗り比べてみると、それぞれのキャラクターが浮き彫りになったと感じた。

 まずは、走行環境からお伝えしておきたい。

 東京駅から東北新幹線「はやぶさ」で3時間強。JR新青森駅に夕方到着すると、1月中旬なのに気温は摂氏2度もあり、この時期としては暖かいと感じた。市街地の道路脇は、年末年始の大雪の名残で除雪した雪が高く積まれているものの、路面の雪はすっかり溶けている。

 この前の週は別件で、函館から旭川を巡っていたが、北海道も例年より気温は若干高めだった。それでも吹雪になることも何度かあり、路面は完全に雪で覆われていた。

 週末から気温が一気に上がったため、青森市街地での走行はドライ路面になってしまったのだ。

 ただし、八甲田山系を登っていくと酸ヶ湯温泉付近になって路面は雪と氷に覆われ、想定していた雪道走行を試すことができた。

 青森県道路情報サイト「青森みち情報」によれば、酸ヶ湯到着時点での積雪量は3メートル77センチ、気温は摂氏マイナス2.8度だった。

 往路では、「レヴォーグ レイバック」に乗った。