グイグイ曲がるクロストレック S:HEV

 ボディ寸法は、全長4480mm×全幅1800mm×全高1575mm。

 エンジンは、水平対向4気筒2.5Lのハイブリッド。モーター、ジェネレーター、そしてリチウムイオン電池は技術提携するトヨタを介して購入している。

スバル「クロストレック S:HEV」。酸ヶ湯温泉の駐車場にて(写真:筆者撮影)

 そのほか、エンジンとモーターの動力を前輪と後輪に振り分ける特殊なギア装置である遊星歯車など、トランスアクスルと呼ばれるモーターとギアシステムの機構全体はスバルが独自に開発したものだ。決して、プリウスなど既存のトヨタハイブリッドシステムをスバル車にそのまま移植した訳ではない。

 詳しくは、こちらの記事をご参照いただきたい。

 クロストレック S:HEVは2024年12月に発売されたばかりで、納車済み台数は2000台程度とまだ少ない。そのため、筆者が量産車を公道で試乗するのは今回が初めてとなる。

「クロストレック S:HEV」のエンジンルーム内(写真:筆者撮影)

 2024年9月に、ほぼ量産状態のプロトタイプを富士山麓で試乗しているものの、走行環境は限定的で、走行性能をじっくり検証するまでには至っていなかった。

 酸ヶ湯で、レヴォーグ レイバックから乗り換えて復路に向かった。

 まず感じたのは、クルマ全体の凝縮感だ。

 前述のように、レヴォーグ レイバックは乗り心地重視でスバル車としてはソフトなタッチの新感覚SUVだと言える。

 それと比べると、こちらは下り坂のワインディングが続く中、グイグイと曲がっていく。ハンドルの切り出しからクルマの旋回を実感するまでの時間が、レヴォーグ レイバックよりも早い。