スバルは10月17日、次世代ハイブリッドシステムを搭載する「クロストレック」の国内仕様を発表した。
スバルのハイブリッド「e-BOXER」はこれまで、エンジンを比較的出力の小さいモーターでサポートするマイルドハイブリッドを導入してきた。次世代ハイブリッドは、モーターとジェネレーター(発電機)を分離しモーター出力を上げた、いわゆるストロングハイブリッドを採用した。
ストロングハイブリッドの報道陣向け試乗会に参加し、その実力を検証した後、スバルから個別にマイルドハイブリッド車を借りて首都圏周辺で約500km走行し、ストロングとマイルドの差を実感した。
(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)
標高1500mの富士山麓で、スバルの次世代ハイブリッドであるストロングハイブリッド(S:HEV)に関する特設試乗コースを用意した。公道での試乗ではなく、クローズドエリアだ。
高低差のある斜面の狭い舗装路では、上り坂と下り坂でのパワーとトルクとハンドリングについて検証した。
第一印象は、クルマの動きが掴みやすいという点だ。
ハンドルの操作量が少なくても、クルマの鼻先がコーナーの内側に向かって的確に動く。
その時点では試乗現場でマイルドハイブリッドとの比較はしていなかったが、過去の試乗体験を振り返ってみると、マイルドハイブリッドのハンドリングはもっとゆったりとした印象があった。
上り坂での加速で、ストロングハイブリッドは実に力強い。
エンジン排気量がマイルドハイブリッドの2.0Lに対して2.5Lと大型化し、さらにモーター出力は88kWとマイルドハイブリッドの8倍以上になっているのだから、こうした力強さは当然だと言えよう。
下り坂でも、回生ブレーキのかかり方の自然さ、そして起伏があってドライバーからは道の先の状態がつかみにくい状況でも、ハンドル・ブレーキ・アクセル操作に対するクルマの動きの先読みがしやすく、運転が楽だ。
こうしたストロングハイブリッドの運動特性は、次の走行ステージであるうねりのある芝生での走行でも実感できた。