日産自動車「キャラバン マイルーム」の売れ行きは好調という(写真:筆者撮影)
  • 日産自動車が横浜キャンピングカーショー(9月14〜15日、パシフィコ横浜で開催)に「キャラバン MYROOM(マイルーム)」を出展した。
  • キャラバン マイルームは、車内後部をデザイナーズホテルのような空間に仕立てた、商用車キャラバンのカタログモデルのひとつ。昨年、ローンチエディション(導入版)を限定発売したところ完売し、今年8月末からカタログ標準車として発売を開始している。
  • キャラバン マイルームの登場と販売の好調さに見られるように、コロナ禍を経て日本のキャンピングカー市場のトレンドが変わり始めたように感じる。各方面との取材や意見交換を通じて、そうした変化の実態を探ってみたい。

(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)

 数字で見ると、キャンピングカー市場は全体として右肩上がりだ。
  
 キャンピングカーに関する業界団体である、一般社団法人日本RV協会によると、国内保有台数は調査開始の2005年には5万台だったが、2016年に10万台を超え、2023年には15万5000台に達している。

 ただ、足元では「従来の急激な伸びはなくなっている」。それでも「新しい動きが見えてきたことで市場全体としては堅調だ」と指摘する業界関係者が少なくない。

日産「キャラバン マイルーム」の車内(写真:筆者撮影)

「従来の急激な伸び」とは、トヨタ自動車「ハイエース」を主体とした「バンコン(バンコンバージョン)」や、バンコンより少しボディサイズが大きく車内にトイレやシャワーなどを完備する「キャブコン(キャブコンバージョン)」によるものだ。

 価格帯としては、500万円強から1000万円前後。これらの多くは、ナンバープレートが8ナンバーだ。

 8ナンバーは「特種用途自動車等」に分類され、パトカー、救急車、消防車、給水車、レッカー車、そしてキャピングカーなどが対象となる。

 こうした従来市場をベースに、市場が2極化し始めているものと思われる。