試乗した「CR-V e:FCEV」。北海道のホンダテストコースにて(写真:筆者撮影)
  • ホンダの新型燃料電池車「CR-V e:FCEV」を北海道の同社テストコースで試乗した。
  • 今夏から日米で発売されている量産モデルで、燃料電池車でありながらプラグインハイブリッド車のように外部との充電および給電機能を持つのが特徴だ。
  • 燃料電池車はハイブリッド車や電気自動車(EV)と比べて価格が高いことや、燃料として使う水素インフラなどが課題となり本格的な普及に至っていない。そうした中、ホンダはCR-V e:FCEV導入をきっかけにどのような戦略を描いているのか。研究開発や水素事業のホンダ関係者から詳しく話を聞いた。

(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)

 CR-V e:FCEVは、その名称から分かるようにSUVモデル「CR-V」をベースにした燃料電池車(FUEL CELL ELECTRIC VEHICLE) だ。

 一般的に、燃料電池車はFCVという略称を使うこともあるが、トヨタやホンダが直近で導入しているモデルは電動車という意味合いを強調するために、FCEVというモデル名称を使っている。

 さらに、CR-V e:FCEVでの小文字「e」は、EVとして走行できるEV電力走行可能距離が約61kmという、プラグインハイブリッド車並みの電池容量(17.7kWh)を搭載していることを指す。普通充電口が車体左前部にあり、そこへの充電と、そこから外部への給電が可能だ。

 では、その走り味はどうなのか。