大統領選出馬のため、共に民主党代表の座をおりた李在明氏(写真:Chris Jung/NurPhoto/共同通信イメージズ)

 日本語の言い回しで表すとしたら、「勝ち将棋鬼の如し」だろうか。6月3日に行われる韓国大統領選は、「一強多弱」状態なのだ。「一強」とは、李在明(イ・ジェミョン)前「共に民主党」代表である。

李在明氏、共に民主党の公認候補になるのは確実

 国会で過半数を持つ「共に民主党」では現在、「競選」(キョンソン)と呼ぶ党の公認候補者選びを行っている。アメリカの大統領選をまねて、韓国の各地方で得点を重ねていく方式である。私も以前、追いかけたことがあるが、地方の盛り上がりたるや、アメリカ大統領選の「お祭り騒ぎ」にソックリである。

 最初の「競選」は、先週末の4月19日に、忠清道(チュンチョンド)で行われた。この地域は地理的にちょうど韓国の真ん中である。北部の民意と南部の民意、また東部の民意と西部の民意が交錯することから、韓国の民意が最も如実に出る地域と言われている。

 結果は、李在明前代表が、得票率88.15%と圧勝した。私は韓国の「競選」を長年見てきたが、初回からこれほど一人の候補がぶっちぎるケースは稀である。

 翌20日には、嶺南(ヨンナム)圏(釜山・蔚山・慶南・大邱・慶北)の「競選」が、蔚山展示コンベンションセンターで行われた。即日開票の結果、またもや李在明候補が、90.81%の圧倒的得票で勝利した。

 この両日の結果を見ても、「共に民主党」の「競選」は、李在明候補が一方的に勝利して公認候補となることは確実と言ってよいだろう。さらに言えば、ライバルの「国民の力」は候補者が混迷していることから、李在明候補が6月3日の大統領選で勝利する可能性が高いと思われる。

 そんな中、李在明候補をよく知る韓国人が来日し、話を聞いた。以下は、一問一答である。