和歌山県のアドベンチャーワールドで大人気のジャイアントパンダ「結浜」(写真:共同通信社)

がぜん注目を浴び出した「パンダ外交」

「パンダは日本国民に大変親しまれており、パンダを通じた日中交流が継続されるよう、新規貸与をお願い申し上げたい」

 4月29日、北京を訪問中の森山裕自民党幹事長(日中友好議員連盟会長)は、会談した中国共産党序列3位の趙楽際(ちょう・らくさい)全国人民代表大会常務委員長に頭を下げた。

「茨城県日立市で10月に、第18回日中友好交流会議の開催を予定しております。ぜひ茨城県に、パンダを貸与していただきたい」

 4月19日、陝西(せんせい)省西安を訪れた大井川和彦茨城県知事は、会談した趙剛(ちょう・ごう)陝西省長に頭を下げた。大井川知事は同日、パンダの保護・研究施設まで視察した。

中国共産党中央対外連絡部の劉建超部長(右端)と握手する日中友好議員連盟の森山裕会長=4月28日(写真:共同通信社)

 中国ではパンダの貸与を外交に活用する「パンダ外交」という言葉があるが、その前段階として、日本からの「パンダ誘致外交」が活発化しているのだ。

 それというのも、「パンダの町」として知られる和歌山県白浜町の「アドベンチャーワールド」で飼育されているジャイアントパンダ4頭が、6月末に中国に返還されるからである。