良浜(らうひん、24歳)、結浜(ゆいひん、8歳)、彩浜(さいひん、6歳)、楓浜(ふうひん、4歳)で、いずれもメス。「日中ジャイアントパンダ保護共同プロジェクト」の契約期間が今年8月で満了になるが、暑さに弱いパンダの体力を考慮して、早めの帰国となるのだ。

二階氏の引退と時を合わせるように…

 和歌山にパンダを誘致したのは、「ミスター日中友好」こと二階俊博元日中友好議員連盟会長(元自民党幹事長)である。

 和歌山県議から1983年に衆議院議員となった二階氏は、1972年に日中国交正常化を成し遂げた田中角栄元首相の愛弟子ということもあって、日中友好を政治家としてのライフワークにすることを決意。中国側を説き伏せて、「日中平和友好条約締結10周年」という名目で、1988年に3カ月間、辰辰(しんしん)と慶慶(けいけい)の2頭を、地元和歌山に「誘致」することに成功したのだ。

 さらに1994年、永明(えいめい)と蓉浜(ようひん)の「誘致」に成功。白浜町は以後、30年以上にわたって「パンダの町」として発展してきた。

 ところが、昨年10月に二階氏が政界を引退。4頭の返還は以前から決まっていたこととはいえ、「人走茶涼」(レンゾウチャーリアン=人が去れば茶は冷める)という中国語が頭をよぎる。

 日本には、東京・上野動物園に、2021年に生まれた双子の暁暁(シャオシャオ、3歳・オス)と蕾蕾(レイレイ、3歳・メス)がいるが、こちらも来年2月20日が返還の期限となっている。そのため来年の年初には、「パンダのいない国」になってしまうのだ。