高輪ゲートウェイ駅直結の屋外スペースを手動で走行する、ウェイモの自動運転タクシー(写真:筆者撮影)

(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)

 ついに、自動運転の黒船が日本に上陸した。一般的に「ロボットタクシー(ロボタク)」と呼ばれるモビリティである。

 米グーグルの親会社、米アルファベット傘下のWaymo(以下、ウェイモ)は昨年12月、タクシーアプリ大手のGO、およびタクシー事業大手の日本交通と、日本における事業性を検証するための戦略的パートナーシップを締結。それを受けて、4月中旬から東京の港区、新宿区、渋谷区、千代田区、中央区、品川区、江東区で、日本交通のドライバーがまずは手動でウェイモの自動運転車を走行させて、日本での適応に関するデータ収集を行うことが決まった。

 同プロジェクトの詳細について、JR高輪ゲートウェイ駅直結スペースで行われたメディア向け発表会で関係者を取材した。

 使用するのは、ウェイモがアメリカ各地で使用しているモデルと同じ電気自動車(EV)のジャガー「I-PACE」をベースとしたもの。運転席にドライバーがいない、いわゆるドライバーレスの完全自動運転車だ

 自動運転レベルは、運転者が運転の主体であるレベル1〜2と、車両のシステムが運転の主体となるレベル3〜5がある。一定の条件下でのドライバーレス走行は、レベル4に相当する。

 ウェイモは現在、カリフォルニア州ロサンゼルスとサンフランシスコ、アリゾナ州フェニックス、そしてテキサス州オースティンなどで毎週20万回を超えるレベル4での有償運行サービスを提供している。

 そうしたサービスを、日本交通の取締役でGOの代表取締役会長の川鍋一朗氏はフェニックスで2023年8月29日に、個人的な興味から試したという。

 その際「少子高齢化や労働力不足が社会課題である日本に必要だ」と感じ、その後のウェイモとの交渉に発展した。
 
 日本でも、自動運転の普及に向けた動きは活発だ。