
(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)
アメリカのトランプ政権が日本時間の3日朝に正式表明した、相互関税や自動車に対する追加関税などについて、世界各国では今後の対応に追われている。
その中でも、アメリカへの自動車輸出台数が多い韓国は、最大手の現代自動車グループ(以下、ヒョンデ)が先週、アメリカでの大規模な投資を行うことを表明するなど積極的に動いている。
3日にソウルで開幕した『ソウルモビリティショー2025』などで現地を訪れ取材し、韓国の自動車産業界の行方を考えた。
ソウルモビリティショーでヒョンデが新型EV
ソウルモビリティショー2025(4月3日〜13日)は初日3日の午前、報道陣や自動車業界関係者向けに各メーカーが記者会見を開いた。
東京でも2023年から、それまでのモーターショーから趣向を変えたモビリティショーへと展示内容が変化しているが、韓国でもより広い領域を取り込んだ自動車関連イベントへと進化している。

会場内では、産学官連携で行っている自動運転に関する専用スペースが設けられるなど、AI(人工知能)やクラウドを活用する情報管理システムなども紹介されていた。
自動車メーカーの展示スペースでは、韓国大手のヒョンデとキアを筆頭に、中国のBYD、ドイツのメルセデス・ベンツ、BMW、ポルシェなどが大型ブースを構えた。他方、日系メーカーの出展はなかった。
そうした中で、大きな注目を集めたのがヒョンデだ。燃料電池車「NEXO(ネクソ)」と、新型EV「IONIQ6」を世界初公開した。