乗用車以外の用途を探る

 燃料電池システムを、CR-V e:FCEVのような乗用車だけではなく、他メーカー向けの商用車、定置電源、そして建設機械などで活用するという戦略だ。

 他社向けとして、いすゞ自動車と中国の東風汽車のトラック搭載用として実証試験がすでに始まっている。

 事業の達成目標としては、2020年代半ばに燃料電池システムとして年間2000基レベルでの外販を始め、2030年には6万基を目指すとしている。ここまでを、今回試乗したCR-V e:FCEVに搭載している第2世代の燃料電池システムで対応する。

外部充電/給電機能のデモンストレーションの様子(写真:筆者撮影)

 時計の針を少し戻すと、ホンダが実車を使った燃料電池車開発を公開したのは、1998年。その後、2002年に「FCX」を世界初の量産車として日米で同時発売。次いで、2008年には、車体を燃料電池車専用設計とした「FCX CLARITY」、そして2016年には燃料電池システムを小型化し、外部給電機能を備えた「CLARITY FUEL CELL」を発売している。

 こうした量産車開発と並行して、2013年からアメリカのゼネラルモーターズ(GM)と共同開発を進めてきた。

 その量産第1号が、CR-V e:FCEVに搭載された第2世代の燃料電池となる。