2011年からさまざまな分野で協力関係にあるトヨタ自動車(以下、トヨタ)とBMW。先日、一部報道にて燃料電池車(以下、FCV)分野でも全面的に両社が提携すると報じられ、その関係がさらにもう一歩、具体的に進んだことがうかがえた。果たして、これは何を意味するのか。これまでの両社の関係を振り返りながら、FCVの将来について考えていく。
提携範囲が拡大された?
8月28日、トヨタとBMWがFCVで全面提携すると日本経済新聞が報じた。トヨタもBMWもこれに関するプレスリリースはまだ発表していないが(2024年8月29日時点)、同紙フランクフルト支局発の記事のため、おそらくBMW側がリークしたのではないかと推測する。
2023年2月にベルギー・アントワープでBMW製FCV iX5ハイドロジェンのプロトタイプに試乗するとともに、オリヴァー・ツイプセ会長をはじめとするBMW関係者に取材した私にとっては「ようやく正式に決まったか」という思いを抱くとともに、当初よりも提携範囲が拡大されたことに驚いている。