7月29日、三菱自動車がすでに協業が発表されていたホンダと日産の連合に合流することが報じられた。ソフトウエア開発を含めEV関連の事業での3社の連携となるが、これで国内自動車メーカーの電動化に関しては、トヨタ自動車を中心とする陣営とホンダ・日産・三菱自動車の陣営に二分される構図となる。これは何を意味するのか? 日本の自動車メーカーだけではなく、世界の自動車メーカーが現在直面している課題とともに、自動車ライター・大谷達也が読み解く。
三菱自動車合流に見るホンダと日産の動向
7月29日、各紙が「ホンダと日産の協業に三菱自動車が合流する」と報じ、今後、日本の自動車産業はトヨタ連合とホンダ・日産連合の2つに集約されるとの見通しを明らかにした。
このニュースを読み解くにあたって、まずはここまでの経緯を少し整理しておこう。
今年3月15日、ホンダと日産自動車は「自動車の電動化・知能化時代に向けた戦略的パートナーシップの検討を開始する」と発表した。
具体的には「自動車車載ソフトウエアプラットフォーム」「バッテリーEVに関するコアコンポーネント」「商品の相互補完」などが候補として挙げられたが、表題にある通り、「戦略的パートナーシップの検討を開始する」ということであって、この時点で戦略的パートナーシップを結んだわけでもなければ、提携の内容が確定していたわけでもない。車載コンピューターのOSであるいわゆるビークルOSや、EVの基本的な動力部であるEV用アクスルの共同開発が重要課題となっていることが、発表当日の質疑応答などから明らかになったのみである。
こうした動きに三菱自動車が同調することに、どのような意味があるのか?