3塁ベースを回る大谷翔平選手(3月29日、デトロイト・タイガース戦で、写真:AP/アフロ)

招かれなかったルースを超える

 ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手が4月7日、ドナルド・トランプ米大統領と面談する。

MLB Star Shohei Ohtani Makes Decision on Dodgers’ White House Visit - Yahoo Sports

 かのベーブ・ルース*1ですらホワイトハウスに招かれたことはなかった。

*1=ルースは現役時、レッドソックス時代の1915年のワールドシリーズ(対フィアデルフィア・フィリーズ戦)を観戦したウドロー・ウィルソン第28大統領と会っている。

 日本人アスリートがホワイトハウスに招かれるのはむろん初めてだ。

(後述するが、日米関係にとっては極めて重要な意味合いを持っている)

 一方のトランプ氏にとっては人気回復にとっての特効剤だ。

「シグナルゲート」でメディアから杜撰な機密保持が叩かれ、さらにイーロン・マスク氏の強引な政府効率化は各地で「テスラ攻撃」を受けている。

 再選の目玉だった経済対策でも世論調査の不支持率は51.6%と半数を超え、勇ましい進軍ラッパとは裏腹に政権運営はアップアップの状態にある。

President Trump Approval - Economy | RealClearPolling

 そこで、今や世紀のヒローとなった大谷選手と面談し、大谷ブームにあやかりたいというのがトランプ氏の魂胆(?)だろう。

「大谷とのツーショットは歴史的な一枚になる」(主要メディアの記者)のは請け合いだ。

ドジャース、4月7日から「首都3連戦」

 ドジャースは4月7、8、9日、ワシントン・ナショナルズ2との3連戦のため首都入りする。この機会に、トランプ氏は大谷を有する2024年ワールドチャンピオンのドジャースをホワイトハウスに招待したのだ。

*2=ワシントンにはかつてワシントン・セネターズというチームがあった。しかし、1961年に身売りしてミネソタ・ツインズとなり、チーム数拡大で以前フライチャイズ権のあった「セネターズ」名義がテキサス・レンジャーズとして復活。現在のナショナルズはモントリオール・エックスポズが前身。ワシントン・セネターズは1924年、カルビン・クーリッジ第30代大統領にホワイトハウスに招かれた最初のMLBのチャンピオンチーム。