
財務省が権力を持つわけ、その3つの原理
「政治の世界で人を動かす原理は3つ。①利益の供与、②脅迫、③象徴の操作である」(政治学者・永井陽之助)。
古今東西どこにでもある人類の原理だとも言えるだろう。③は分かりやすく言えば、マインドコントロールによって信者を作ることに他ならない。
この3つの原理を縦横無尽に駆使し、伝説の政治家になったのが田中角栄だ。
①道路や橋を作る利益誘導から始まって、②政治的に刃向かうものには「日干しにするぞ」と脅す。そして、③列島改造を掲げ、叩き上げの「今太閤」として国民を熱狂させた。信者は今なおいる。
そんなカリスマはもういない。その代わりというべきか、いま影の権力者と指摘される存在がある。財務省だ。
①予算を編成し配分、②徴税における査察権を背景とした無言の圧力、③日本の財政は危機的状況にあり、増税が必要と刷り込む。界隈で「日本のディープステート(DS)」とまで言われてしまう、そのゆえんが3つの原理に詰まっている。

いま、日本で着実に起き始めている現象は、こうした見え難い支配者に対する有形無形の抵抗運動ではなかろうか。「財務省解体デモ」とか、減税系政党(国民民主党・れいわ新選組など)に対する20代・30代・40代の高い支持率。それと裏腹に、親財務省の自民・立憲支持層が高齢化しているさまがそれを物語っている。
若い世代が7月の参議院選挙で大量に投票すれば、日本政治の歴史的激変は必至だろう。