日常使いでは「マイルド」で十分
こうした日常的な走行シーンにおいては、マイルドハイブリッドの加速感に対して、特に物足りなさは感じなかった。確かに、ストロングハイブリッドによる走りの余裕が魅力的だが、マイルドハイブリッドで必要十分という印象だ。
ただし、勾配のきつい上り坂では、富士山麓で体験したようなストロングハイブリッドの力強さが欲しくなる場面があった。
乗り心地については、マイルドハイブリッドは一般的なスバル車であり、硬過ぎないがしっかりとした安心感が高い。
ハンドリングについては、直進時をハンドルのセンターとして見た場合の、ハンドルの左右への切り出した際の感触が、やはりマイルドだ。オンセンターフィーリングと呼ばれる領域での話だ。
本稿執筆時点では、ストロングハイブリッドを高速道路や一般道路などで試乗する機会がないため、近い将来に是非試乗して、マイルドハイブリッドとの差分をしっかりと検証してみたい。
ストロングハイブリッド搭載のクロストレックは、10月17日発表時点から12月4日まで先行予約を実施している。価格などについては販売店に問い合わせることになっているが、クロストレックのグレードラインアップでは、マイルドハイブリッドが価格を少し抑えた普及グレードであるのに対して、ストロングハイブリッドは上級グレードという位置付けだ。
なお、ストロングハイブリッドは燃費も改善し、さらに燃料タンク容量を63L拡大することで、ガソリン満タンでの航続距離で「歴代スバル最長の1000km超え」(スバル資料)を達成しているという。
桃田 健史(ももた・けんじ)
日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなどのレースにレーサーとしても参戦。ビジネス誌や自動車雑誌での執筆のほか、テレビでレース中継番組の解説なども務める。著書に『エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?』『グーグル、アップルが自動車産業を乗っとる日』など。
◎Wikipedia