“身内競合”の火種も抱えるバス製造の国内勢力図
一方で気になるのは、この提携劇に伴う日本のバス製造の勢力地図の変化だ。
先に述べたように、三菱ふそうと日野自動車は今年経営統合するが、日野自動車は現在、いすゞとバス事業を共同で行っている。鴻海と三菱ふそうが共同で設立する新バスメーカーが電動バスだけでなく三菱ふそうの既存のディーゼルバスも手がけるとなると、その新会社とジェイ・バスは競合関係となり、三菱ふそうと日野自動車が身内で食い合うことになる。
シナリオはいくつかある。第1は現状維持。三菱ふそうと日野は持株会社アーチオンの傘下に入るが企業としては別個であるため、バス事業について日野自動車は三菱ふそう・フォックストロン陣営に入らず、いすゞとの協業を続けるという道だ。
第2は日野自動車がいすゞとの協業を解消し、新会社に合流するというもの。その場合、いすゞは採算面から単独でバス事業を行う意味合いを失い、撤退する可能性が出てくる。
第3はバス事業限定でいすゞ、日野自動車の両社が新会社に合流するというもの。だが、これは独占禁止法をどうクリアするかという問題が残る。
ともあれ三菱ふそうと鴻海による新会社設立は両社のシナジーにとどまらず、衰退する日本のバス製造業界にとって大きな転換点になりそうなだけに、今後の展開には要注目だ。





