
フェラーリの継承者としての849テスタロッサ
849テスタロッサは、様々な意味でフェラーリの伝統に彩られたモデルだ。
まずは849という数字だが、これは搭載エンジンが「8気筒」で、1気筒あたりの排気量が「おおよそ490cc(厳密には499cc)」であることに由来している。気筒数や1気筒あたりの排気量などの数字をモデル名として用いるのは、フェラーリの伝統的な手法といって間違いない。
2026年現在、フェラーリのラインナップで運転席の直後(リアミッド)にV8エンジンを積む最新モデルが849テスタロッサ
テスタロッサ(もしくはTR)もフェラーリの伝統的なネーミングだ。それがイタリア語で「赤い頭」を意味することは皆さんもご存じのとおりで、もとはといえば1956年にデビューした500TRというモデルのエンジンヘッドを、職人たちが「余った赤の塗料」で塗ったことがきっかけと伝えられる。
フェラーリ 500TR。フロントに搭載する赤いヘッドのエンジンは直列4気筒の排気量2リッターだった
テスタロッサの名は、その後も250テスタロッサ(1957年)、330TR(1962年)などのレーシングカーに用いられた後、1984年にはロードカー“テスタロッサ”として復活。
1984年に登場したフェラーリ テスタロッサはバンク角180度のV12エンジンをリアミッドに搭載。排気量4943ccから最高出力390PSを発揮するというスペックだった
テスタロッサの後継、フェラーリ 512TRに積まれたバンク角180度のV12エンジンは排気量4942ccで最高出力428PSを生み出した。512は5リッター12気筒を意味する
その後継モデルも512TR(1991年)と名付けられ、跳ね馬の伝統を受け継いだ。そこから数えて、およそ四半世紀振りにテスタロッサの名が甦ったことになる(カッコ内は各モデルのデビュー年)。
デザイン面では1970年代に登場した512Sや512MといったレーシングスポーツカーのDNAを受け継いでいるという。なるほど、コクピット部分がまるで戦闘機のキャノピーのように見えるほか、そのキャノピーの両サイドに冷却気を採り入れる大きなエアインテークを設けた点は512Sや512Mにそっくり。極めつけはボディーエンドの左右に取り付けられたスポイラーで、同じ手法は512Sと512Mでも採用されていた。
フェラーリ 512Sは1970年にデビュー
512Sの発展改良モデルが512M
そして現代のフェラーリ 849 テスタロッサ(写真はアセット・フィオラーノ装着車)
