文・撮影=酒井政人 写真提供=株式会社ユニクロ

2019年1月にパートナーシップ契約を締結

 今夏はパリでオリンピック・パラリンピックが開催される。晴れ舞台を目指すのはアスリートだけではない。

 日本のスポーツメーカーではアシックスが日本代表の公式スポーツウェアを提供。日本のアパレルブランドではユニクロがスウェーデン代表選手団の公式ウェアを担当する。

 セレモニーや移動時、トレーニング、取材対応、選手村で過ごす時など大会期間中のあらゆるシーンに対応するLifeWearコレクションだ。

 近年、ユニクロはロジャー・フェデラー(元プロテニス選手)、錦織圭(プロテニス選手)、平野歩夢(スノーボード・スケートボード選手)、アダム・スコット(プロゴルファー)らとパートナーシップ契約を結ぶなど、スポーツ分野への進出が著しい。

 オリンピックはFIFAワールドカップと並ぶ世界最大のスポーツイベント。注目度は高く、アスリートたちが着用するウェアにも熱視線が注がれることになる。

 そのなかでなぜユニクロがスウェーデン代表の公式ウェアを提供するのか。

 スウェーデンのオリンピックチームは、2018年まで同国のアパレルメーカー「H&M」製の大会ウェアを着用していたが、そこに食い込んだかたちだ。

 ユニクロは2018年にスウェーデン1号店を出店したのをきっかけに、2019年1月にパートナーシップ契約を締結。昨年3月には契約を2年間延長し、2026年のミラノ・コルティナ冬季オリンピックまでサポートを続けることが発表された。

 なお株式会社ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長の柳井正氏は、「ユニクロのウェアを着たスウェーデン選手たちの活躍にいつも感銘を受けています。2024年の大会でも、LifeWearを通じてスウェーデンの選手たちをサポートできることを大変うれしく思います。ユニクロは、美しくシンプルなデザインや現代的なライフスタイルを尊ぶスウェーデンの文化、そしてスウェーデンの選手たちから多くを学び、革新的なコレクションを開発しています。選手団とともにスポーツと服を通して、より良い社会の実現に向け貢献してまいります」というコメントを寄せている。

 今大会は、「The High-Performance Simplicity of LifeWear(研ぎ澄まされた機能美)」をコンセプトにウェアやバッグ、シューズなど約250種類を製作。スウェーデン国旗のカラーリングをモチーフにしながら、パリの華やかな街並みに溶け込む、シンプルで美しく、洗練されたデザインに仕上がっている。

 ウェアには吸汗速乾機能「ドライEX」、縦にも横にも自在に伸縮する「ウルトラストレッチ」、心地よい肌触りと汗を速乾させる機能を併せ持つ「エアリズム」、紫外線をカットする「UVカット」など、ユニクロを代表する高機能素材をフル活用。アスリートの声を基に素材やフィッティングを改善して、寒暖差のある夏のパリでも快適に過ごせるウェアだ。

 また新たなリサイクル素材の採用にもチャレンジした。ユニクロで初めて、店舗で回収したユニクロ商品(ポリエステル高混率素材)の一部を、化学的にリサイクルし、公式ウェアの16アイテムに採用しているのだ。その努力もあり、リサイクル素材の使用割合は東京大会の約33%から約50%に拡大した。

 ユニクロはゴルフ、バドミントン、卓球、テニス、カヌー、ボート、セーリング、アーチェリー、射撃、スケートボード、ブレイクダンス、水泳、ビーチバレーボールのスウェーデン代表の大会競技ウェアも提供する。他国の選手とはいえ、自国のブランドが〝活躍〟するシーンを観るのは日本人として誇らしい気持ちになるだろう。

 

「ユニクロ×スウェーデンアスリートコレクション」が発売

WOMEN ドライEX フレンチスリーブTシャツ1,990円
WOMEN ウルトラストレッチドライスコート3,990円

 6月3日には日本を含む全世界50店舗で「ユニクロ×スウェーデンアスリートコレクション」が発売される。

 スウェーデン代表選手団の公式ウェアのなかから一部をセレクト。素材や機能性はそのままに、カラーをネイビーやホワイト単色にするなどタウンウェアとして使いやすくアップデートした。

 動きやすくて通気性に優れた「ウルトラストレッチドライジャケット(4,990円)」、ゴルフウェアから誕生したUVカット機能を備えた「ドライEX UVカットハーフジップTシャツ(2,990円)」、360度よく伸びる素材で快適な履き心地の「ウルトラストレッチドライパンツ(3,990円)」など7型をラインナップする(※価格はいずれも税込)。

「The High-Performance Simplicity of LifeWear(研ぎ澄まされた機能美)」をコンセプトにしているだけに非常にクールな印象だ。

MEN ドライEX クルーネックTシャツ1,990円
MEN ウルトラストレッチドライショーツ2,990円

 筆者は発売前の「ドライEXクルーネックTシャツ」と「ウルトラストレッチドライショーツ」を試着させていただき、いつもの早朝ランニングに出かけた。

 Tシャツは少し重さを感じたが、その分、作りはしっかりしている。胸元、背面、脇下など熱を放出したいゾーンには、大きめのメッシュ素材を採用。吸汗速乾機能だけでなく、抗菌防臭機能もあり、ジメジメした季節でも安心して洗濯できそうだ。さらに1,990円で〝オリンピック気分〟を味わえるのは素晴らしい。

 ドライショーツもストレッチ素材で動きやすかった。汗をかきやすい腰部分にはメッシュ素材を使用。2,990円という価格ながら、チェック付きのキーポケットも装備している。シンプルなデザインなので、様々なシーンに対応できる。この夏には欠かせないアイテムになりそうだ。

 まもなく日本にも夏がやってくる。アスリートの気持ちになってスポーツの祭典を迎えてみよう。