文=酒井政人
男子2部で圧倒的だった青学大
毎年、5月に開催される関東インカレ。駅伝シーズンを占う意味でも重要な初夏の総力戦だ。長距離ブロックの選手が絡むのは1500m、5000m、10000m、ハーフマラソン、3000m障害の5種目。今年の箱根駅伝出場校では、城西大、東洋大、法大、早大、大東大、東海大、国士大、中大、日大、日体大、順大、明大、山梨学大が男子1部校となる(※1部は全16校。下位2校と2部の上位2校が入れ替えとなる)。
男子2部の長距離種目で圧倒的だったのが箱根王者・青学大だ。初日の10000mは箱根駅伝2区で区間賞を獲得した黒田朝日(3年)が関東インカレの日本人最高タイムとなる27分52秒02で価値ある銅メダルに輝いた。
「狙うは優勝だったんですけど、離された後も耐えることができました。タイムは意識していませんでしたが、27分台は今シーズン出したいと思っていた記録。青学大初でもあるので、歴史を塗り替えられたのは自信につながると思います」
黒田の快走で波に乗った青学大は2日目の1500mで宇田川瞬矢(3年)が2位(3分53秒41)、3日目の3000m障害で本間創(2年)が4位(8分54秒58)。最終日はハーフマラソンで太田蒼生(4年)と塩出翔太(3年)がW入賞(2位/1時間03分04秒、6位/1時間03分56秒)を果たすと、5000mを鶴川正也(4年)が13分36秒41で制している。
箱根駅伝3区を爆走した太田は左腰(大転子部)を痛めた影響で今季は出遅れていた。練習に復帰したのは「1カ月半前」で、1月2日と比べて状態は、「8割くらい」だったという。それでもハーフマラソンで日本人トップを奪ったが、ラスト勝負でカマウ・パトリック(上武大2)に敗れたことを悔しがった。
「準備していないところで(スパートを)かけられて、うまく反応できませんでした。留学生でも関係ありません。優勝したかったですね。今季こそは三大駅伝にすべて出場して、しっかり優勝を狙っていきたいです」
太田と黒田のWエースに加えて、ラストイヤーに燃える鶴川も好調。今季の青学大は昨季以上の〝爆発力〟を秘めているようだ。