強さを感じさせた有力校
男子2部では今年の箱根駅伝で5位に入った國學院大、同8位の創価大も〝強さ〟を感じさせた。
國學院大はエース平林清澄(4年)のエントリーを見送ったが、そのなかでも存在感を発揮した。10000mは留学生に挑んだ青木瑠郁(3年)が後半も粘って、28分16秒32で8位入賞。上原琉翔(3年)と野中恒亨 (2年)が自己ベストで9位(28分16秒76)、10位(28分17秒98)と続いた。
1500mは尾熊迅斗が7位(3分54秒37)、3000m障害は桶田一翔が8位(9分01秒18)と1年生も入賞。山本歩夢(4年)らが出場した5000mで入賞を逃したが、ハーフマラソンは高山豪起(3年)が終盤までトップ争いを繰り広げて3位(1時間03分14秒)、辻原輝(2年)も7位(1時間04分17秒)に食い込んだ。高山は青木が日本学生ハーフマラソンを制したことが刺激になったという。
「このままでは青木に勝てないと思ったので、ジョグの量を増やすなどして、関東インカレに合わせてきました。平林さんという大エースがいますが、その下を固めていくのは、自分たち3年生。総合力で勝負できるようにしていきたい」
創価大は10000mでスティーブン・ムチーニ(2年)が2位(27分41秒52)、吉田響(4年)が7位(28分12秒01)。3000m障害で黒木陽向(3年)が1位(8分41秒24)、齊藤大空(2年)が3位(8分51秒34)。この4人が自己ベストを更新すると、1500mで濱口直人(4年)が3位(3分54秒04)、大激戦の5000mでも小池莉希(2年)が7位(13分55秒48)に入った。
選手層は厚くエースも健在。「山の神」を目指している吉田が、「三大駅伝のオール区間新を狙って、精一杯取り組んでいきたいです」と言えば、駅伝では〝新戦力〟となる黒木は、「箱根駅伝は10区を走りたい。小さい頃からの夢ですから」と話していた。
男子1部は箱根駅伝3位の城西大、同4位の東洋大。それから予選会校となる東海大が熱かった。
城西大は10000mで平林樹(4年)が28分03秒13の自己新で2位。目標は「下位入賞」だったが、徐々に順位を上げていくと、残り250mからの絶妙スパートでヴィクター・キムタイ(3年)にも先着した。キムタイは10000mで3位に終わったが、5000mは13分37秒62で優勝。ハーフマラソンは久保出雄太 (4年)が7位(1時間04分04秒)に入った。
10000mで日本人トップに輝いた平林は今年の箱根駅伝は9区で区間10位だった選手。「順位もタイムも想像していませんでした。うれしいですけど、びっくりしています」と笑顔を見せた。今季は主将としてチームを引っ張っており、駅伝シーズンに向けては、「エース区間で戦いたい」と意気込んでいた。
東洋大は10000mで石田洸介と小林亮太の4年生コンビが自己新で6位(28分08秒29)と7位(28分12秒77)。ハーフマラソンでも梅崎連(4年)と薄根大河(2年)が2位(1時間03分19秒)と4位(1時間03分49秒)でW入賞を果たした。5000mでは西村真周(3年)が7位(13分54秒18)に入っている。
梅崎はハーフマラソンで3年連続の表彰台。今回は日本人トップだった。
「初日に石田と小林が入賞したので、自分も負けていられないなと思いました。キャプテンとして自分がチームを引っ張らないといけない。学生駅伝は区間賞を狙って頑張りたい。箱根駅伝は3位以上が目標です」
東海大は3年生コンビが自己新の激走でインパクトを残した。花岡寿哉が10000mで28分08秒26の5位、兵藤ジュダが5000mで13分49秒98の3位に食い込んだのだ。花岡は日本人のなかで最後までケニア人留学生に食らいつき、インターハイ800m王者の兵藤は持ち味のスピードをラストに爆発させた。
「大学に入ってから思うような結果が出てなかったので、日本人トップは素直にうれしいです。花岡と一緒に練習をしているので、自分もという気持ちになりました。Wエースはなしで、自分がエースになってやるという気持ちで、帰ってからバチバチやってきたい」(兵藤)
今年の箱根駅伝は兵藤が1区(5位)、花岡が2区(13位)を務めた。東海大は2年連続でシード権を逃しているが、今季は3年生コンビを軸にどこまで上げていけるのか。