(Pirelli Headquarters - Cars in Display 13)(出所:ピレリ)
1872年にイタリア・ミラノで創業した老舗タイヤメーカー、ピレリ。2015年に中国の国有企業、中国化工集団に買収されたが、現在もイタリアに本社を置き、独立した経営体制を保持している。同社はスポーツモデル向けタイヤ「P ZERO」を、現在、スポーツカーのみならずEV、SUV、高級車に幅広く展開している。ピレリ本社を訪れ、アンドレア・カサルーチCEOにインタビューを行った自動車ライター・大谷達也氏が、同社の製品開発力の秘訣、今後の戦略をリポートする。
150年以上の歴史を誇るゴム製品メーカー「ピレリ」
イタリアのタイヤメーカーであるピレリは、1872年にゴム製品を手掛ける企業としてミラノで産声を上げた。ちなみに、「世界三大タイヤメーカー」とされるのはアメリカのグッドイヤー、フランスのミシュラン、日本のブリヂストンだが、この中で創業が最も古いのはグッドイヤーとミシュランの1898年で、ピレリの誕生は2社よりも20年ほど早いことになる。
当初、ゴムバンドや三輪車用タイヤなどを生産していたピレリは、1901年より自動車用タイヤの生産に着手。これと前後して、スペイン、イギリス、アルゼンチンなどに販路を拡大していった。そして史上初のグランプリレース(F1グランプリの原型に当たるもの。自動車競技の一種)とされる1907年のフランスGPではピレリ装着車が優勝するほど、創業当時からモータースポーツ活動にも熱心に取り組んでいた。






