Richard OD / Shutterstock.com

 内燃機関は本当に時代遅れなのか。電動化が進む自動車業界で、エンジン技術はなお進化を続けている。環境規制や電気自動車(EV)化の潮流を踏まえながら、熱効率向上や新燃焼技術の開発の最前線に焦点を当て、エンジン復権の可能性を問い直す『エンジンの逆襲』(伏木幹太郎著/日経BP)から内容の一部を抜粋。日本が誇るエンジン技術の底力と中国のEV戦略を探る。

 EV販売の減速を受け、ホンダはEV比率を引き下げ、HEVを重視する戦略へと転換した。2モーター式の「e:HEV」に一本化する「トヨタとは逆を行く」決断は吉と出るのか?

※記載されている事実関係は、刊行当時のものです。

日本のエンジン・HEV技術、7社の戦略
ホンダ

エンジンの逆襲』(日経BP)

 ホンダは2021年、2040年までに販売する新車の全てをEVとFCVにする「脱エンジン戦略」を掲げた。ただ最近は世界のEV販売が鈍化したのを受けて、最終的なゴールこそ変えていないがHEVを重視する方針に見直している。

 2025年5月にはそれまで設定していた2030年のEVとFCVの販売目標比率について30%から20%程度に引き下げた。EV販売は70万~75万台を想定し、従来目標から約30万台減らす。EVが減った分はHEVを増やすことで全体の販売台数を維持する。

 この戦略変更に併せて2027年から4年間で小型から大型まで13車種のHEVを世界に投入する計画を打ち出した。ホンダの幹部は「今後もHEVは重要になる」と話す。2040年の「本命」がEVやFCVという点こそ維持するが、普及がすぐには進まない中で「つなぎの技術」と位置付けるHEVの時代が長くなるとの見立てだ。

ホンダ社長の三部敏宏氏(写真:日経Automotive)

HEVシステムを整理

「トヨタとは逆を行く」――。ホンダの開発者は同社のHEV戦略をこう語る。ホンダのHEVシステムは2015年には3種類あったが、現在は2モーター式のe:HEVのみに集約した。HEVの種類を増やしているトヨタとは真逆の動きだ。