- 三菱自動車の新型ピックアップトラック「トライトン」に試乗した。
- 日本の一般ドライバーにはあまり馴染みがないが、商用車としてだけではなく乗用車としても利用でき、乗り心地の良さに驚いた。
- 日本のピックアップトラック市場は北米やASEANのようには拡大しないだろうが、キャンプなどアウトドアでの利用を中心に「高級ファッションアイテム」として一部の層に人気が出そうだ。(JBpress)
(桃田健史:自動車ジャーナリスト)
三菱自動車(以下、三菱)の新型ピックアップトラック「トライトン」に試乗した。試乗の舞台は、筆者が過去に歴代のトヨタ自動車「ランドクルーザー」や、スズキ「ジムニー」を走行した経験もある、富士山麓のダートコース。本格的な四輪駆動車の走行性能を確認するための条件が整った場所である。
ただし、トライトンと聞いても、一般ユーザーにとってはどんなモデルなのかイメージが湧かないかもしれない。
そもそも、ピックアップトラックは日本では特殊なカテゴリーであり、ピックアップトラックの運転経験がある人もあまり多くないと思う。
そこで、商品としてのトライトンを紹介した後、グローバルにおけるピックアップトラック市場の全体像を解説してみたい。
なお、ピックアップトラックとは、乗員スペースの後部にベッド(荷台)を持つ商用と乗用の兼用も可能なトラックとして比較的小型の部類の車両を指す。
トライトンは、世界150カ国で年間約20万台販売されており、国や地域によって導入される仕様は、後輪駆動のシングルキャブ(2ドア)の廉価グレードから四輪駆動のダブルキャブ(4ドア)の上位グレードまで様々ある。
このうち日本導入モデルは、2023年に世界発表された6代目の四輪駆動ダブルキャブのみで、標準グレードのGLS(498万800円)と上級グレードのGSR(540万1000円)の2タイプだ。これら2グレードの基本性能は同じで、違いは車内外の装飾パーツである。