衝撃のスクープ
つひにゆく道とはかねて聞きしかど昨日今日とは思はざりしを――こう詠んだ在原業平(西暦825年~880年)のような心境の日系企業がある。かつて中国で一世を風靡した三菱自動車だ。
9月28日、日本経済新聞が朝刊で、衝撃的なスクープ記事を1面トップで報じた。タイトルは、「三菱自、中国生産撤退へ EV出遅れで販売不振 最終調整 外資苦戦 戦略見直しも」。
内容は、以下の通りだ。
<三菱自動車は中国の自動車生産から撤退する方針を固めた。現地での合弁相手である中国自動車大手の広州汽車集団と最終調整に入った。
中国では電気自動車(EV)の普及や地場企業のブランド力向上で三菱自の販売は低迷する。ガソリン車に強い日欧米などの自動車ブランドは全般的に苦戦している。外資の自動車大手の中国戦略の転機となる……>
まさに、日本の自動車メーカーの雄が、世界最大の中国市場から、「撤退」の時を迎えたのである。