米連邦最高裁は「トランプ関税」に違憲判決を下した(2月20日撮影、写真:AP/アフロ)
(英フィナンシャル・タイムズ紙 2026年2月27日付)
ドナルド・トランプは関税を振りかざして大いに楽しんだ。そして今、その借りを返すときが来た。
そう、文字通り、取り立てたカネを返すときが来たのだ。
トランプが国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠に緊急関税といういかがわしい名称の関税を導入したのは違法だと連邦最高裁判所が判断したことで、大統領の通商政策は混乱に陥った。
その一方で、この1年に徴収されたおよそ1750億ドルの関税の還付手続きを企業から請け負いたい事業者が活動を始めている。
最高裁が長引かせた不確実性のツケ
一つ、最初にはっきりさせておこう。このゴタゴタは完全に不要なものであり、連邦最高裁判所の人目を引きたがる行動が極めて高くついた。
そもそも、最高裁判事はこの訴えを受理しないこともできた。
米国際貿易裁判所(CIT)が最初に、そして連邦控訴裁判所がその後に下した関税無効の判断を受け入れて終わりにすることができたのに、そうしなかった。
おかげでCITによる関税措置差し止めは7カ月間も棚上げされ、結局は最高裁が同様な理屈を用いてCITの判断を支持した。
トランプ政権は責任を取ることを拒み、集めた税の還付処理の責任は最高裁にあると主張している。最高裁はその問題については沈黙したため、いずれCITに戻されることになるだろう。
関税還付の具体的な仕組みは、司法や行政をめぐる不確実性のせいではっきりしない。納めた関税がまだ「清算(確定)」されていなければ比較的早く取り戻せるかもしれない。
だが、多くの場合はもう手遅れだ。
トランプ政権が還付に原則的に反対しようとしても、苦労するのは火を見るより明らかだ。
12月に複数の企業が共同でCITに起こした裁判で、政権側は関税の清算の即時停止には反対したものの、還付には後日応じることを約束した。
だが、トランプが少なくとも腹いせに、還付手続きを困難で費用もかかるものにすることはできる。
下院民主党はすでに、障害を取り除いて還付手続きを促進するための法案を提出している。もっとも、大統領拒否権を覆すに足る賛成票を得られると思っている向きはいない模様だ。