10月29日、韓国・慶州で行われるAPECサミットの当日、嫌中国集会を監視する警察官(写真:ロイター/アフロ)
新型コロナウイルス感染症の大流行時、世界的に「反中感情」が高まったが、韓国では今また、当時を凌駕するほど反中感情が高まりを見せ、もはや「嫌中」という域に達している。特に20代~30代で嫌中感情が高まっており、これに対して李在明(イ・ジェミョン)政権と共に民主党が、「嫌中デモ禁止法」を制定して嫌中行為を取り締まろうと動き始めている。
「中国人お断り」のカフェに行ってみた中国人インフルエンサー
今やソウルで最もホットな街となっている聖水洞(ソンスドン)で、最近になって「ノーチャイナ・ゾーン」が登場した。複数の韓国メディアによると、聖水洞のあるカフェが店のインスタグラムのプロフィール欄に「申し訳ないが、私たちは中国人客を受け入れない」と英語で明記したという。
これを知った韓国在住の中国人インフルエンサーが実際にこのカフェに行ってみたところ、案の定、入店を拒否されたのだという。
中国人インフルエンサーは自身のSNSで「韓国のカフェの中で最も人種差別的なカフェ」とし「なぜここまで我が国を憎悪するのか分からない。今後、あなたの店の売り上げがどのように落ちるか見ているぞ」と批判した。
一方、このカフェの店主は韓国メディアの取材に応じ、「社会的に嫌中感情が高くなっている、中国人客が騒いだりするので韓国人客が困っている」と釈明し、「政治的な意図はなく、店を守るための行動だ。社会的に嫌中ムードが落ち着けば再び中国人客を受け入れるつもり」と付け加えたという。
だが事態はそれで終わりではなかった。ニュースをみたあるネットユーザーが「人種差別的な店が城東区にある、どうかしてくれ」と、城東区庁長のSNSに投稿した。すると、区庁長は「知らせてくれた憂慮に深く共感する。聖水洞は今や韓国の代表的な観光スポット。事業主を最大限説得してみる」と回答した。
その後、城東区役所の職員らが直接カフェを訪れて店主を説得したが、これといった成果はなかったという。