「トランプは嫌い、バイデンはお年寄り」

 結果はどうだったか。

 ロサンゼルスに住む病院看護師補佐の中南米系女性Kさん(35)は、筆者の問いに次のように答えた。

「今晩の両者のパフォーマンスを見る限り、どちらに票を入れるかは分からない。トランプは(人格的に)嫌いだけど、バイデンは本当にお年寄り。ひょっとしたら投票しないかも」

 討論会の後、コメントを求めた2、3人の政治専門家にKさんの反応をぶつけると、「平均的な『決めかねている有権者』*2の反応だろう」と口を揃えて答えた。

「痛み分け」だった。

*2=「決めかねている有権者」は、民主、共和両党の選挙アナリストによると、女性、黒人、ラティーノが圧倒的に多く、都市近郊に住む低学歴、ワーキングクラス(労働者階級)、非宗教保守(エバンジェリカルズ)、反トランプ、バイデン政権の物価対策に不満を抱いている。民主、共和党支持者の9割は、すでにバイデン、トランプ両氏への投票を決めているとされる。

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