米国では相変わらず小池氏の認知度が高い(写真は6月19日、立候補者4人による共同記者会見で、写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

女性軽視ニッポンの「首都・女の戦い」

 東京都知事選(7月7日投開票)の選挙戦がスタートし、各候補は子育て支援、出産率向上対策、防災、行財政改革といった施策を公約の柱に据え、有権者に訴えている。

 3選を目指す現職の小池百合子知事(71)と蓮舫前参院議員(56)を軸にした激戦に、広島県安芸高田市長だった石丸伸二氏(41)が割り込む形で盛り上がっている。

 ともに無所属だが、小池氏は自民、公明両党の組織票を当てにする一方、蓮舫氏も立憲民主党推薦、さらには共産党が応援ビラを配布するなど事実上の支援を受けている。

bloomberg.com/tokyo-governor-s-race-defined-by-two-powerful-women

afpbb.com/articles

 世界が注目するのは、東京都のスケールの大きさだ。

 東京都の人口は1400万人、都内総生産(GDP)は1兆118億ドルとオランダのGDP(国内総生産)とほぼ同じ。

 年間予算規模は16兆5586億円(2024年度一般会計は8兆4530億円でこれに特別会計・公営企業会計を加えたもの)で、スウェーデンの国家予算とほぼ同額である。

その首長の座を今日本で最も知名度のある女性政治家が競う政治イベント」(米主要メディアのコラムニスト)を米国、そして世界はどう見ているのか。

 特に小池氏は、米国ではずば抜けて知られた日本女性政治家である。

 ワシントン・ポストは18年前、その小池氏を小泉純一郎首相(当時)が郵政民営化法案に反対した自民党議員の選挙区に送り込んだ「刺客」の一人としてこう評した。

真っ赤な口紅の忍者は、聴衆を前にこう訴えた。『これは改革のための地上戦闘です。この戦闘に勝つか負けるか。それによって日本は変わるのです。みなさん、一緒に日本を変えようではありませんか』」

「彼女の武器は、弁舌の爽やかさ、端正な顔立ちと抜群のスタイル、そして人を引き付けるキラー・スマイルだった」

 小泉氏は、この「郵政解散・総選挙」で党内反対派を一掃させ、刺客にとって代わった自民党は296議席を獲得した。

 選挙の投票日が米国を襲った同時多発テロと同じ日だったため「自爆テロ解散」とも呼ばれた。

 小池氏はその「刺客」の一人として脚光を浴び、米メディアでも一躍有名になったのである。

washingtonpost.com/wp-dyn/content/article