米大統領選の台風の目になっているロバート・ケネディ・ジュニア氏(5月24日撮影、写真:AP/アフロ)

トランプ、「このままだとギロチンに遭う」

 米大統領選挙まで5か月を切り、選挙キャンペーン最前線の様相に変化が出てきた。

 超大国の大統領を選ぶ4年に1度の政治イベントは、醜さと異常さの度合いをますます深めてきた。

 ジョー・バイデン大統領とドナルド・トランプ前大統領との政策論争そっちのけの誹謗中傷合戦、カネ集めが激化する中で、これまで強気一辺倒だった「刑事被告人・トランプ」が弱音を吐き始めた。

 支持者を集めた政治献金集めの場でバイデン氏を罵る一方、「カネを出してくれ。そうしないとギロチンにかけられる」と本音を吐露。

 大統領選に負ければ恩赦も何もあったものではない。

 刑務所送りもありうる。大統領選に勝って刑事裁判での有罪判決を大統領特権で自己恩赦する以外には道はない。

 テレビは、「バイデンは世界で最も無能なリーダーだ。世界は弱くなった米国を見くびっている」とバイデン氏をこき下ろす勇ましい場面しか映さない。

 だが、トランプ氏が判事、検察官を「Bulls …」(でたらめ)「Son of …」(あばずれ女のガキ)と、メディアが伏字でしか表現できないNG言葉を連発、しかも支持者に繰り返すよう強要する異常さに、遊説現場を取材する米メディア記者たちはあきれ果てている。

少なくとも、これまでの大統領選キャンペーンで候補者がこれほど下品で野暮な発言をした例はない」(米主要メディアのベテラン記者)

 そう言ったか、と思うや、「カネをくれ、いま、ここで出すと誓約してくれ。寄付してくれ。そうしないと、俺は断頭台の露と消える」と懇願している。

 ラスベガスの集会では、2600万ドルを集めている。トランプ氏は、3月、4月だけで1億4000万ドル集めた。

 一方のバイデン氏は5月、ハリウッドスターを集めた集会で3000万ドルを集めて、米国の「金権選挙」はその額において記録更新を続けている。

dailymail.co.uk/donald-trump-las-vegas-heat-joe-biden-border

cbsnews.com/biden-campaign-trail-los-angeles-hollywood-fundraiser

nytimes.com/biden-los-angeles-fundraiser-hollywood