あのニューヨーク・タイムズもバイデンに三行半、どうする民主党
にわかに現実味を帯びてきた「オバマ副大統領候補で爾後禅譲策」
2024.7.2(火)
高濱 賛
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NYTの裏切りなのか、友情ある説得か
前回の大統領選挙でジョー・バイデン氏(81)を支持したリベラル有力紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が、6月28日、「バイデン氏は選挙戦から撤退すべきだ」とする社説を掲載した。
社説の要旨はこうだ。
一、(共和党大統領候補が確定している)トランプ氏の危険性、この国の将来、そしてバイデン氏の不安定さを考えれば、米国はトランプ共和党候補に対抗できる、より強力な人物を必要としている。
一、選挙戦のこの時期になって新しい民主党の候補者を立てることは容易ではない。
しかし民主党にとって極めて明確な道筋とは、バイデン氏では選挙戦を続けられないことを認め、11月にトランプ氏を負かすことが可能な人物を選ぶプロセスを始めることだ。
(nytimes.com/biden-election-debate-trump.)
6月27日に開催された討論会でのバイデン氏の精彩を欠いたパフォーマンスが米国民に改めて印象付けた「高齢問題」を憂慮した社説だ。
ニューヨーク・タイムズと言えば、米言論界の雄。
リベラル派常識者たちの大半が自分たちの代弁者、オピニオンリーダーと仰ぎ見る(?)存在だ。グローバルな読者層を誇り、世界の指導者、知識層に影響力を与えてきた。
発行部数の激減で悪戦苦闘する新聞業界の中で、同紙はオンライン部門で読者を増やし、優れたジャーナリストを集め、他紙の追随を許さない。
そのニューヨーク・タイムズが現職大統領に「次期大統領になるのはやめよ」と最後通告を突きつけたのだ。
その背景には同紙がこれまで行ってきた世論調査でのバイデン氏の支持率の低さ(好転しそうにない)がある。
これでは、絶対に勝たせてはならない「刑事被告人」ドナルド・トランプ前大統領が勝ってしまうかもしれないという危機感があった。
(nytimes.com/elections/polls-president.)