地球外生命の「本当にあったら怖い話」

小林:パンスペルミア説とは、例えば地球よりも先に別の太陽系惑星や衛星、小惑星で生命が誕生し、それが何らかの方法で地球に飛来して地球生命として進化していったという考え方です。

 また、パンスペルミアとは逆に、地球生命が別の惑星や衛星に飛んでいき、その星に居ついたということも十分に考えられます。

 いずれの場合でも、地球外生命と地球生命は、共通の祖先を持ち、共通の生命システムを持っているはずです。仮に、地球外生命が他者に寄生して増殖をするよう進化していたとしましょう。それが地球に持ち込まれた場合、当然、地球生命に感染するリスクがあります。

 しかも、全く新しい未知のウイルスということで、私たちはそれに対する予防策も治療方法も持ち合わせていません。地球生命が致命的なダメージを負い、滅亡に追い込まれる危険性もあります。

 次に、最近思いついてしまった「本当にあったら怖い話」をしましょう。それは、代謝のための触媒や複製のために、有機物を手あたり次第に使う地球外生命の存在です。

 そのような地球外生命は、地球生命と全く異なる生命システムを持っているはずです。にもかかわらず、地球生命のタンパク質やRNAを使って増えていくことができます。地球上の有機物のすべてが、彼らに食い尽くされてしまうのです。当然、人類もその他の地球生命も、そこここにあるプラスチックごみも、です。

 なかなか怖いシナリオだな、と我ながら思います(笑)。

関 瑶子(せき・ようこ)
早稲田大学大学院創造理工学研究科修士課程修了。素材メーカーの研究開発部門・営業企画部門、市場調査会社、外資系コンサルティング会社を経て独立。YouTubeチャンネル「著者が語る」の運営に参画中。