ChatGPTの機能を大幅に強化したOpenAI(写真:ロイター/アフロ)ChatGPTの機能を大幅に強化したOpenAI(写真:ロイター/アフロ)

(小林 啓倫:経営コンサルタント)

 筆者はハーバード大学を卒業しているのだが、よく「本当に卒業したんですか?」と尋ねられる。確かにもう20年以上も前の話になるので、信じてもらえないのも当然かもしれない。そこで証拠に、額装した卒業証書の画像をお見せしよう。

 少し放置してしまったので、かなり汚れが目立つが、ちゃんと筆者の名前がローマ字で表記されている(Akihito Kobayashi)ことがわかるだろう。これでハーバード大卒であることを信じてもらえただろうか。

偽の卒業証書

 炎上しないように、そろそろネタばらししておこう。筆者がハーバード大卒であるなどというのはまったくの噓だ。騙してしまって申し訳ないが、今回のテーマにかかわる実験なのでご容赦願いたい。

 ちなみに、筆者が卒業したのは、同じ米マサチューセッツ州にあるバブソン大学である。小規模だが非常に良い大学で、ハーバード大ほど名前のインパクトはないかもしれないが、バブソンで得た知識とスキルはその後の人生で大きく役立っている。

 では、なぜこんな画像をつくったのかというと、最近リリースされた、ChatGPTの新たな画像生成機能の優秀さを実感していただくためだ。

 ChatGPTにはこれまでも画像生成機能が備わっていたのだが(DALL-Eという画像生成モデルが組み込まれていた)、それが大幅に強化され、話題となっている。その強化された機能を駆使して生成されたのが、冒頭の「偽卒業証書」というわけだ。

 もちろん、こんなフェイク画像が簡単に生成できてしまっては大問題なのだが、その点を考える前に、画像生成機能の強化について簡単にまとめておこう。