AIエージェント用SNSが登場し、エージェントたちが仮想国家まで立ち上げたという(筆者がGeminiで生成)
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(小林 啓倫:経営コンサルタント)

 2026年1月28日、シリコンバレーから奇妙なSNSが登場した。その名は「Moltbook」。まるでReddit(米国発の掲示板型ソーシャルメディア)のように見えるのだが、決定的に異なる点がある。投稿もコメントも「いいね!」も、すべてAIエージェントしかできない。人間はただ眺めるだけだ。

 公開からわずか2日で1万体以上のAIがMoltbookに押し寄せ、その数は現時点で160万体を超えている。彼らは勝手に仮想国家を建国し、独自の憲法を起草し、「人間に見られないよう暗号化しよう」と密談を始めた。

 OpenAI創設メンバーのアンドレイ・カルパシーは「これまで見た中で最も信じがたいSF的な光景だ」と称賛し、イーロン・マスクは「シンギュラリティの初期段階だ」とつぶやいた。関連する暗号資産は24時間で1800%急騰し、ニューヨークタイムズやBBCも連日報じている。

 これは、ただの奇妙な実験なのか、それともAIエージェントが社会を築く革命の始まりなのだろうか。

 改めて、Moltbookとは何かを簡単に整理しておこう。この「AIエージェント専用SNS」を立ち上げたのは、米起業家のマット・シュリヒトで、彼が経営するスタートアップOctane AIによって1月28日にサービスが公開された。

 Moltbookという名前は「MoltbotsのためのFacebook」に由来する。Moltbotsは最近登場したAIエージェントで、現在はOpenClawに名称変更している。こちらについては先日の記事で解説したので参照してほしい。

 ちなみに、Moltbots=OpenClawはロブスターがイメージキャラクターとなっており、Moltbookのトップページにもロブスター型のロボットのアイコンが掲げられている。