注目を集めるAIエージェント「OpenClaw」、最高のツールか、それともセキュリティ上の悪夢か?(筆者がGeminiで生成)
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(小林 啓倫:経営コンサルタント)

 自律的に動くAIアプリケーション「AIエージェント」への期待がますます高まっているが、そんな中、新たなAIエージェント「OpenClaw」が注目を集めている。開発者の公式発表によれば、その前身となったプロジェクトは、オンライン開発プラットフォームのGitHub上で10万スター(「いいね!」のようなもの)超を獲得し、1週間で200万人が訪問したという。

 関連コミュニティ「Moltbook」でも、3万体以上のエージェントが利用されているとされ、話題は開発者界隈を超えて拡散しつつある。

 一方で、OpenClawには「セキュリティ上の悪夢だ」との声もある。果たしてどのようなAIエージェントなのか、簡単にまとめてみよう。

「話すだけのAI」から「動くAI」へ

 ChatGPTやGeminiのような生成AIチャットボットは、既に多くの人々にとって身近な存在になっている。質問すれば答えてくれるし、画像や映像を生成してくれるし、プログラムのコードも書いてくれる。ただ、これらのAIには1つの明確な限界がある。それは「質問に対する回答しかできない」という点だ。

 たとえば、「Excelでいくつかの数字の合計を出して」と頼んでも、ChatGPTは「この関数を使うとできますよ」と手順を教えてくれるだけで、実際にExcelのシートを書き換えてはくれない。「このフォルダの中身を整理して」と言っても、整理の方針を提案するだけで、ファイルを移動してはくれない。

 OpenClawはこの限界を突破しようとするツールだ。単なる会話相手ではなく、ユーザーのパソコンの中で「手足を動かして」作業をこなす実行者として設計されている。

 ちなみにOpenClawは、最初からこの名前だったわけではない。2025年11月に「Clawd」という名称で立ち上げられたのだが、これはAnthropic社の生成AIチャットボット「Claude」と、ロブスターの「claw(はさみ)」を組み合わせた言葉だった。Clawdはロブスターをマスコットキャラクターとしており(それはOpenClawとなった現在も変わらない)、これら2つの要素を伝える名前となっていたのである。

 ただこの名前はClaudeにあまりにも似ているため、両者の混同を招きかねないとして再考を求める声が高まった。その結果、2026年1月27日にプロジェクト名は「Moltbot」へと変更されている(moltとは「脱皮」を意味し、「殻を脱いで成長するロブスター」をイメージさせた)。しかしこの名前も「しっくりこない」として、商標調査やドメイン確保まで行ったうえで、2026年1月29日に最終名として「OpenClaw」が発表された。

 では、OpenClawが具体的にどのような特徴を持つのかについて、従来の生成AIチャットボット、およびこれまでのAIエージェントと比較しながら解説してみたい。