(小林 啓倫:経営コンサルタント)
ChatGPTの実力は?
SF作品に登場するような、高度な未来社会がついに到来するかもしれない──。技術の世界では、時おりそんな期待感がメディアを席巻する。米OpenAI社のチャットボット「ChatGPT」をめぐる状況は、まさにその一つと言えるだろう。
ChatGPTは昨年末に発表されたウェブサービスで、ユーザーが入力した質問やコマンド(プロンプトと呼ばれている)を理解して、適切な回答を返してくれる。まさにチャットボットの範疇に含まれるサービスの一つである。
大きな注目を集めている理由の一つは、その精度だ。
例えば、ChatGPT自身に「みんなChatGPTのこと凄いって言うんだけど、何がどう凄いのか、僕が小学生の子供だと思って説明してよ」とお願いしてみると、こんな答えが返ってくる。
わかった、小学生の君にも分かりやすく説明するね!
ChatGPTは、コンピューターが言葉を理解して会話ができるプログラムだよ。たくさんの本やインターネットの情報を学んで、色々な質問に答えられるようになったんだ。だから、凄いって言われているんだよ。
例えば、お話し相手がいない時や、宿題の手伝いをしてほしい時など、いろいろなことを助けてくれるよ。それに、たくさんの言葉や文化についても知っているから、世界中の人たちとお話しできるんだ。
でも、コンピューターだから、人間みたいに感情はないし、時々間違った答えを言ってしまうこともあるんだ。だから、ChatGPTの話を聞く時は、ちょっと注意してね。
長かったため途中までしか引用していないものの、筆者はこの回答に一切手を加えていない。以下のスクリーンショットがその証拠だ(画像も簡単に加工できてしまう時代なので、決定的な証拠にはならないのだが)。
もう少し高度な説明をという方々向けに、改めてChatGPTに「同じ答えを、僕がコンピューター科学を専攻する大学生だと思って書き直して」というプロンプトを入力してみたところ、こんな答えが生成された。