「ワシな、覚醒剤を使っているんや、ヘヘッ」
10月21日に和歌山地裁で開かれた「紀州のドン・ファン殺害事件」の裁判に検察側の証人として出廷した女性は、和歌山県田辺市の資産家・野崎幸助氏(享年77)から電話でこう告げられたことがあると証言した。
これまでの公判に出廷した証人はいずれも「野崎氏が覚醒剤を使うことは絶対にない」、「覚醒剤で捕まった者を『人生終わった』と批判していた」などと証言してきたが、それとは真逆にもとれる証言だ。そのような女性を証人に呼んだ検察側の意図は何だったのか――。
「覚醒剤、使っているんや」発言の真意は…
野崎氏を殺害したとして、殺人罪などに問われている妻の須藤早貴被告(28)の第15回公判が和歌山地裁であった。
この日、検察側の証人として出廷したのは、約20年前に野崎さんと知り合ったという女性である。
この女性は、
「野崎さんは自殺を考えるような人ではない」
「(一緒にいて)覚醒剤の使用を感じたことはない」
といった証言とともに、驚くべき証言をした。2018年3月ごろ、野崎氏から「覚醒剤を使っているんや」という電話があったというのだ。
野崎氏が本当にそのような電話をしたのだとしたら、果たしてどのような会話の流れの中でそんな発言が飛び出したのだろうか。