「大学の洗礼」を受けるもスーパールーキーが2位
優勝した松井以上にインパクトを残したのが早大のスーパールーキーだ。昨年のインターハイ5000mで日本人歴代最高の13分39秒85をマークして、全国高校駅伝1区でも日本人歴代最高の28分43秒で区間賞。3月29日のモーリー・プラント競技会5000mでU20日本歴代3位の13分25秒59を叩き出した鈴木琉胤が大学デビュー戦で高校時代のスタイルを貫いた。
「大学でも高校でやってきたような積極的なレースは続けようと思ったので、そこは絶対に曲げないつもりでした」
すぐにトップに立ち、平松が前に出たときは、「タイムが落ちてなければそのままでいいかなと思っていたんですけど、つくのが嫌だったので、途中で我慢できなくなって、パッと出ました」と再び、鈴木がフロントに立ってレースを進めた。
しかし、最後は松井のキック力にかわされた。
「誰も前に出させないように走っていたんですけど、だんだん体力がなくなってきました。自分が引いていて、ついてこられないかなと思ったんですけど、大学の洗練を受けましたね。でも初戦としては良い経験になったかなという感じです」
優勝は逃したが、強風のなかでもレースを果敢に引っ張った“強さ“は大物感を漂わせていた。そして鈴木が5000mのユニバ代表(内定)に唯一、選出された。
スーパールーキーとして大活躍が期待されるが、鈴木は大学4年間の目標を冷静かつ大胆に考えている。
「今シーズンは新しい環境になるので、タメの時期ととらえています。3年目でしっかり記録を出して、4年目にトラックでロス五輪を狙いたい。5000m12分台、10000m26分台を目指しつつ、世界と戦える選手になりたいです」