
(スポーツライター:酒井 政人)
落合がデビュー戦で学生歴代4位
ワールドユニバーシティゲームズ(以下ユニバ)の代表選考を兼ねて行われた日本学生個人選手権。今年はルーキーたちの活躍が強烈だった。まずは男子800mで1分44秒80の日本記録を保持する落合晃(駒大)だ。
大学デビュー戦となった金栗記念選抜中長距離大会の1500mは3分44秒18の自己ベスト。メイン種目の800mは今大会が大学初レースになった。
「初めての800mで少し不安があるなかでスタートラインに立ったんですけど、予選から準決勝にかけて、レース感覚と調子を上げられて良かったかなと思います」と落合。準決勝で全体トップの1分48秒17をマークすると、翌日の決勝に向けては、「東京世界陸上の開催国枠エントリー設定記録である1分45秒88が目標です」と話していた。
そして落合が決勝で“有言実行”のレースを披露する。
200m付近で先頭に立つと、400mを53秒で通過。終盤は後続をグングンと引き離していく。そしてターゲットにしていた「1分45秒88」にピタリと到達した。
「風があったんですけど、あまり気にせずに1分45秒88を目指して走りました。ラスト150mまで余力を持って走れていたので、そこからの伸びで後ろを離すことができましたね。総監督に言われたレースができましたし、目標タイムまでいけたのは評価できると思います」
今季は3月に大八木弘明総監督が指導するGgoatのメンバーと米国・アルバカーキで高地合宿を実施。1500mでシーズンインを迎えるなど、高校時代とは異なるアプローチで800mの初戦に臨んだ。
「高地トレーニングと1500mに取り組んだことで、スタミナ面を強化できました。予選・準決勝を走っても余裕がありましたし、この時期にしては出力を高めて練習してきて、その成果が出たのかなと感じています。ラストをしっかり切り替えられて、ほぼイーブンでまわれたことが自信になりました。今度は1周目を51秒で入り、2周目を今日と同じくらいで粘れたら、44秒台、43秒台が見えてくるかなと思います」
アジア選手権に続いて、ユニバ代表(内定)に選出された落合。開催国枠エントリー設定記録を突破したことで東京世界陸上もグンと近づいてきたが、今後は同大会の参加標準記録(1分44秒50)を目指していく。